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[ 自治体編 ]
vol.08
2025.10.27

ライスレジンで「米の活用」を多様化し、農業の未来を救いたい。

北海道 深川市
田中 昌幸 市長

北海道 深川市 田中 昌幸 市長

プロフィール

室蘭工業大学工学部建築工学科を卒業後、深川市役所へ。職員として勤務した後、2003年に退職し、深川市議会議員に初当選。副議長、議会運営委員長、社会民生常任委員長などを歴任し、2023年に深川市長選挙で初当選。

 

株式会社ライスレジン 代表取締役COO 奥田 真司

プロフィール

2006年に野村證券株式会社に新卒入社。富裕層向けのリテール業務や上場企業などの法人向けコンサルティング業務を経て、戦略企画業務に従事。20205月より、バイオマスレジングループに参画。バイオマスレジン南魚沼 取締役副社長に就任した後、20224月に社長執行役員に就任。2024年より株式会社ライスレジン 代表取締役COOに就任。

北海道深川市は、北海道のほぼ中央に位置する農業都市です。自然災害の被害が少ないことが注目され、最近では「住みたい田舎ベストランキング」の上位にも選出されるほど。都会からの移住を検討している方も、少なくありません。今回は、深川市 田中市長とライスレジン代表取締役COO 奥田が「深川市における農業の課題と環境への取り組み」について、対談しました。

農業が盛んな北海道 深川市が抱える課題とは

深川市の基幹産業は農業。石狩川や雨竜川から広がる平野を活かした稲作地帯であり、質の高いお米の生産に取り組んでいます。新たな就農希望者を支援する体制も整えており、研修指導をはじめとするさまざまなサポートを行っています。お米の他にも作付面積全国2位の蕎麦や、りんご、さくらんぼ、花き、畜産業も盛んです。

奥田:田中市長と知り合ったのは、JAきたそらち主催の「環境フォーラム2024」での登壇がきっかけでした。本日は農業への想いについて、じっくりお話しできればと思っています。深川市は見渡す限りの美しい田園風景が広がっていますね。最近では「令和の米騒動」と騒がれるなど、お米を取り巻く環境が転換期に入っているように感じています。深川市では、米作りの課題についてどのような取り組みをされていますか?

田中市長:深川市にとって、米作りは非常に重要なものです。「おいしいお米を食卓へ届けよう」という最大限の想いを持って取り組んできたと、自負しています。北海道の主要品種である「ななつぼし」「ふっくりんこ」「ゆめぴりか」を同じ地域で生産できている点が、特徴的ですね。また低農薬・環境に配慮したクリーン農業「YES!clean」も導入し、地域全体でスクラムを組んで進めてきました。しかし1戸あたりの耕作面積は増えているものの、農家数は20年前の1300戸から600戸以下に減少。高齢化が進み、労働力の確保や後継者問題という課題に直面しています。そこで法人化などの「稼げる農業」への転換を支え、若い世代の参入障壁を下げていきたいと考えています。

長きにわたり米価格の低迷が続いてきた中、2024年後半からようやく価格が上がり始めています。価格が安定すれば、今後の流れも変わっていくと期待されているそうです。

環境を守ることが、農業を守ることにもつながる

現在直面している社会課題にも大きく関わってくるのが、環境政策です。深川市としても環境保全に向けた取り組みを、積極的に進めています。

奥田:これからの時代において、環境への取り組みは非常に大切になってくるはずです。自然豊かな深川市では、次世代に向けた環境保全への想いも強くあるのではないでしょうか?

田中市長:農業を行う中で、CO2やメタンガス排出量に対する対応は避けては通れません。ジレンマを感じながらも、深川市内の60%を占める森林活用や子どもたちへの環境教育には特に力を入れてきたのではないかと思っています。加えて、2024年は市内61ヶ所の公共施設で照明器具のLED化を実施し、電気使用量を大幅に削減しました。市内は工場が少ないこともあり、以前からCO2排出量は少なめでしたので、そうしたPRも広く伝えていけると良いのかもしれません。

農地が荒廃してしまうと、元に戻すことは非常に困難になります。中山間地域での環境保全は、農地を守ることにもつながっているのです。

使い道のない資源としての「米」の活用方法

JAきたそらちからの依頼を受け、さまざまなアイテムにライスレジンを活用いただいている当社。地域の保育園・幼稚園の子どもたち向けに、ライスレジン製の食器にオリジナルのロゴマークを入れてプレゼントしています。さらに地域で採れたお米による米袋をライスレジン製に転換し、米どころならではの工夫も進めてきました。

奥田:最初にライスレジンを知った時の印象はいかがでしたか?

田中市長:「お米でプラスチックみたいなものができるんだ」と、驚いて話をしたことを覚えています。JAきたそらちの岩田組合長から紹介をいただいた2年前に初めて知り、現在はみそ汁を飲む時のお椀にも使わせてもらっています。それまで使っていた木製のお椀は食洗機に入れるとひび割れてしまいますが、ライスレジン製だと問題ないので良いですね。当時はライスレジン製の名刺やクリアファイルも実際にいただいてみて、お米の活用方法が多様化している実感も持てました。一方で、今は食用以外の用途に使うことへの抵抗がある方も多くいらっしゃるでしょう。

奥田:おっしゃるとおりです。私たちも丁寧な説明が必要だと考えています。備蓄米が話題になりましたが、食用米は保存期間が5年間しかありません。食用に適さないお米の有効活用も含めて、私たちがお米を大切に思いながら事業を展開している事実を伝えていきたいです。今後、再び「使い道のないお米」が注目される日が来るでしょう。その時に私たちが活用方法の多様化を実現する受け皿となっていくつもりです。

毎日のようにお米のニュースが報道されるのと比例するように、生産者への注目度も高まっています。米作りへの価値が問い直され、新たなビジネスチャンスの可能性も生まれてくるでしょう。

プラスチックの代替として広がる未来の可能性

最後に、将来のビジョンについて語り合いました。

奥田:これからも、農業を取り巻く環境を守っていくために、一緒に連携させていただければ嬉しいです。将来的にチャレンジしてみたいことはありますか?

田中市長:やはりプラスチック製品の転換です。市の指定ごみ袋や、深川市内の道の駅「ライスランドふかがわ」で販売しているオリジナルグッズにライスレジンを使ってみるのも良さそうですね。小学校、中学校、さらに高校まで広げた学校教育の現場でも、授業を通じて理解を深めていけそうです。「実はみんなの机の上にあるクリアファイルが、お米からできているよ」と伝えられたら、すごくおもしろいですよね。

奥田:私たちも努力を積み重ねていきたいと思いますし、ライスレジンの認知を広め、未来に向かって共に進んでいければ幸いです。

対談を終えて

現在の米の供給状況は「食用」にフォーカスが当たっていますが、長い目で見ると「活用方法の多様化」は避けて通れません。深川市が直面している高齢化と、農業従事者の減少という課題解決にもつながるはずです。今後は「稼げる農業」を目指し、持続可能な取り組みを続けていく担い手が増えていく可能性も広がっていくでしょう。これまでに築いてきた地域の財産を大切に守り、次の未来へと飛躍する期待が高まる対談となりました。

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